・ミッテツヴァイトに生きる種族・

 ミッテツヴァイトには、神々に創造された多数の種族が住んでいます。
 ここでは、それら種族を紹介していきます。

・人間族・


 ミッテツヴァイトに生きる種族の中でも最も多数を占める種族です。
 森霊族、岩靭族、仙獣族が生まれた際、始まりの神に応える三者の声が山彦となって生まれたと言われており、特に際立った能力こそ無いものの、どんな環境にも適応できる順応性と優れた繁殖力を持っています。
 かつてはミッテツヴァイトの全人口の50%程度を占めていましたが、旧ペルマナント文明が崩壊し世界が滅亡の危機に瀕した折より、他の種族に比べ繁殖力で勝っているため個体数で差をつけ続けています。多種族との混血児を生む事すらでき、それら混血児を含めると、ミッテツヴァイトの全人口の90%近くを現在占めています。
PC使用時の能力
【腕力】【体力】【技巧】【敏捷】【知力】【知覚】
666666
種族特殊能力
『ポシビリティ』
1セッションに1回だけ、任意のタイミングで
【DP】を2D6点回復させる事が出来る。

・森霊族・


 始まりの神が命に呼びかけた際、森の木々が応えた事によって生まれた種族と言われています。
 外見は人間族に似ていますが、耳が長く、緑色の髪を持ち、痩身であるという特徴があり、判別は容易です。
 多くは森に街を作り、自給自足にも近い閉鎖的な社会を築いて暮らしています。建物こそ人間族の街並みと同じように石や煉瓦造りですが、木々を昇降台代わりに利用した立体的な街並みを築いているのが特徴的です。
 一般的に、彼らは自然と溶け合って暮らす事を美徳としており、人間族のように自然を自分の意のままに加工・操作する機器などの開発をよしとしません(もっとも、スレイヤーになるようなはみ出し者は例外も多々いるでしょうが)。植物のように規則正しく、静かに平和に、調和をもって暮らす事を理想と考える傾向があります。このため一般的に、順法意識が高く保たれています。
 平均寿命は人間族より長く、120〜150歳程度。老化も人間族よりやや緩やかです。
PC使用時の能力
【腕力】【体力】【技巧】【敏捷】【知力】【知覚】
447786
種族特殊能力
『スピリットルーラー』
優位属性および同属性から受けるダメージが半分になる。
(通常のダメージ補正を適用後に半減)

・岩靭族・


 始まりの神が命に呼びかけた際、山の岩々が応えた事によって生まれた種族と言われています。
 筋肉質の体を持ち、しかし手先は非常に器用な種族です。どちらかと言えば細々とした頭脳労働よりも肉体労働に適性があり、人間族の街で暮らす者の多くは武人や肉体労働者、職人などの仕事に就いています。
 山岳を主な住処とする種族ではありますが、人間族との交流は全種族の中で最も多い種族です。人間族の社会に出稼ぎに来る者も少なくありません。これは山岳地帯では自給自足が困難な事に加え、山岳で取れる鉱石や宝石の類は人間族の街で商われる事で高価な金銭となる事、加えて人間族の街ではその金銭で様々な物を購入できる事が主な理由です。人間族としても、屈強な肉体を持ち、優れた鍛冶・工芸の技術を持つ者が多い岩靭族は経済社会の大切なパートナーです。
 平均寿命は人間族と同程度の70歳前後ですが、早熟のうえに老いが遅く、おおむね15歳から40歳前後まで青年期と呼べる肉体的全盛期が続きます。
PC使用時の能力
【腕力】【体力】【技巧】【敏捷】【知力】【知覚】
898353
種族特殊能力
『フォルティテュード』
1セッションに1回だけ、任意のタイミングで
自身の【HP】を全回復させる事が出来る。

・仙獣族・


 始まりの神が命に呼びかけた際、原の草々が応えた事によって生まれた種族と言われています。
 獣毛に全身を覆われ、直立歩行した獣のような姿をしています。犬、猫、兎、狼、虎、獅子…上げればきりがないほどの種が存在しますが、ひとまとめに仙獣族と呼ばれます。
 自然と共存する種族であるという一点においては森霊族と似ていますが、狩猟や採集による自給自足の生活を営む者が多数を占めており、生活の様式はより原始的です。草原に集落を作って暮らしますが、家は藁葺きのものがほとんどです。
 まれに人間社会に出てくる者もいますが、その種族の特性上、頭脳労働にも生産職にも向いておらず、俊敏さを活かした配達人などの仕事に就くか、あるいは傭兵などの道を選ぶかというパターンが多いようです。しかし、俊敏で、鋭敏な知覚力を持つ彼らこそ斥候として最適だと考える者も少なからず存在しています。
 平均寿命は人間族よりやや短く、50〜60歳程度です。
PC使用時の能力
【腕力】【体力】【技巧】【敏捷】【知力】【知覚】
656838
種族特殊能力
『パーシャルビースト』
ウォリアーorアサシンスキル用アーツとして、
「ビースト」タイプのモンスター用白兵アーツを取得できる。
ウォリアー、アサシンどちらのアーツとして習得したか明確に記録し、
該当スキルLv×2を武器攻撃力とみなして計算する。
(【AP】と【防御力】は装備中の武器に依存)

・熾天族・


 背中に美しい純白の翼を持つ種族ですが、その出自はようとして知られていません。
 非常に高い知性と魔力を持ち、種族のほとんどが何らかの魔術の使い手です。肉体的にこそ人間族と大差ありませんが、こと魔法使いとしての才は他の種族と一線を画しています。
 きわめて特徴的な事として、彼らは種族独自の社会を形成しません。他の種族が築いた社会の中に居候するように生活するのが一般的です。またその中にあっても進んで労働をしようとする者は稀で、特に手先の不器用さからして生産的労働には非常に不向きです。
 これらの特徴から、彼らは神々が深淵の魔物と戦った折に創り出した生物兵器の類なのではないかと考える学者もいます。
 なお、彼らは翼を持ちますが、空を飛ぶ事はできません。しかし『奥義者の学院』の研究により、彼らの翼は大気中を漂うマナを集め、また魔術発動後の余剰エネルギーを排出する循環装置の役割を果たしている事が明らかになっています。
 平均寿命は人間と同程度の70歳前後です。
PC使用時の能力
【腕力】【体力】【技巧】【敏捷】【知力】【知覚】
653796
種族特殊能力
『セラフィックオーバーロード』
1セッションに1回だけ、攻撃もしくは回復の
アーツの効果を+3D6する。

・龍鱗族・


 強靭な鱗に包まれた手足と、頭部のツノを特徴とする種族です。それらの特徴を除けば人間族に近い容姿をしています。
 この種族も出自は明らかではありません。が、一説によれば邪悪を招き寄せてしまった『龍』たちに代わり、『龍』の王が贖罪としてヒトを守るために生み出した種族であると言われています。事実彼らは龍としての荒々しい力強さと深い叡智を併せ持っており、戦士としても魔術師としても高い素養を持っています。
 おおむねにおいて彼らは他種族に好意的であり、また武勇を重んじる気風が強いため深淵の魔物たちとも率先して戦おうとする傾向があります。また、個よりも全を優先する考え方をする者が多く、自身すら駒のひとつと考える感があります。しかし同時に個人の強いこだわり等の機微に疎い部分があり、良くも悪くも俯瞰した視点にいる存在だと言えます。
 平均寿命は100歳程度で、人間族よりやや長い傾向があります。
PC使用時の能力
【腕力】【体力】【技巧】【敏捷】【知力】【知覚】
993483
種族特殊能力
『トランスドラゴン』
ウォリアースキル用アーツとして、「ドラゴン」タイプの
モンスター用白兵・射撃・無分類アーツを取得できる。
この際、ウォリアーLv×2を武器攻撃力とみなして計算する。
(【AP】と【防御力】は装備中の武器に依存)

・鬼眼族・


 亜人とも呼ばれる種族です。多岐に枝分かれした種がおり、豚頭のオーク、緑の肌を持つゴブリンなどが代表格です。
 彼らはもともとは始まりの神が命に呼びかけた事によって生まれた、言葉ある種族のひとつでした。しかし深淵の邪悪なる者が来訪し、邪悪を植え付けられた事によって、彼らの眷属となってしまった種族です。
 邪悪の証か、彼らはみな一様に黒い眼をしています。瞳が黒いというのではなく、眼球そのものが真っ黒なのです。この特徴的な眼が、鬼眼族と呼ばれる由来となっています。
 多くの場合、彼らは侵魔の手先として奴隷のように仕えているか、人里を離れた森の奥や洞窟などに集落を作って生活しています。と言っても狩猟や農作といった生産的な活動をしている事は珍しく、たいてい小さな村や通りがかりの隊商などを襲って略奪した物で生活の用を足しています。
 彼らは怠惰で労働を嫌いますが、弱者をいたぶる事を好む暴力的で粗野な性癖の持ち主であるため、破壊と略奪が生業となっているのです。しかし戦士としての矜持は持ち合わせておらず、自分より強い相手からはなるべく逃げようとする事も珍しくありません。
 彼らを最初に邪悪ならしめたのは侵魔であったかもしれませんが、現在の現実として、彼らは生まれついての強盗なのです。

・巨靭族・


 岩靭族の亜種にあたる存在ですが、鬼眼族同様、邪悪に染められた種族です。
 邪悪に染められた影響か日光を嫌う性質があり、多くは岩窟の中で暮らしています。出歩く時は主に夜間となりますが、怠惰な性質でもあり滅多な事では出歩こうとしません。
 食糧は生肉を好みますが、日中出歩く事を好まないため、自ら狩猟に出る事は稀です。おおむね奴隷として鬼眼族か魔獣を飼い慣らし、それらに狩りをさせる事で自分の食糧を確保しています。
 この種族の最も恐るべき所は、人間族を始めとした言葉ある種族の肉を最も好んで食する事にあります。彼らも知性はあるため、それら種族の肉を確保するのが難しい事は理解しており、そればかりを求めるわけではありませんが…不注意に自分の縄張りに立ち入った者がいれば、これ幸いと捕食しにかかる事でしょう。

・魔獣・


 動物が侵魔の影響で邪悪に染まったものです。
 本来の動物の生態系からは考えられないような、戦闘のための機関や人肉食などの性質を持っており、危険な害獣として忌み嫌われています。
 しかし知性のある種族ではないため、よほどの大物でない限り、組織的な軍隊やスレイヤーにかかれば簡単に討伐されてしまう事が少なくありません。
 鬼眼族や巨靭族、侵魔に飼い慣らされ使役されている事も多々見受けられます。

・機甲人・


 旧ペルマナント文明時代に、人の手によって創られた存在です。
 一見すると人と区別がつかない者から、あからさまに金属質の体を持つ者まで種々雑多ですが、いずれも共通する事としてその体は魔導機器の塊であり、それが悉く現代の技術では再現不能なものであるという事です。
 自律的な思考・判断能力を備えており、人と近い容姿の者は一般社会にも受け入れられて生きていますが…

・龍・


 神話に伝えられるには、"神によって創造され、四大天使によって律されなかったもの"とされています。
 多くは、鋼のように強靭な鱗と鋭い爪、牙、ツノを持ち、巨大なトカゲや蛇に似た姿をしています。中には鳥獣に似たものや魚に似たものもおり、その姿は千差万別ですが、いずれも人類を遥かに越えた力を持っている事は間違いありません。その力に太刀打ちしようとするならば、神や四大天使、あるいは邪悪や魔王たちを除けば、聖遺物を備えた勇者でなくては不可能でしょう。
 大別すると、かつての深淵と神々の戦いの折に神の軍勢に加わった"聖龍"、邪悪を呼び寄せその力を受けた"魔龍"、そのいずれにも属さず己のあるがままに生きる"真龍"三勢力が存在します。
 このうち、最も現在のミッテツヴァイトに影響を及ぼしているのは"魔龍"です。彼らは力あるものを好ましいと考え、強大な力を持つヴァイラスに与し、時として眷属である鱗ある怪物たちを使役して人類社会に被害を与えています。
 ストレンギア王国の東方の辺境においては、真龍をあがめる国があるとも言われています。

ヴァイラス
・侵魔・


 神が創造しなかった世界をよしとしなかった"魔龍"一派によってこの世界に呼び出された、深淵の邪悪なる者たちです。
 あらゆる悪徳、あまねく負の側面、一切の災禍の原因であり、その頂点に立つ者たちは神と同じほどに全能であり、神と同じほどに全知であるとも言われます。
 神がこの世界にあまり干渉しないようにしている(ように見える)のに対し、配下の怪物や使い魔たちを使役し、人心を乱し悪徳の種を撒いてはこの世界に悪影響を与え続けていると言われます。
 
 彼らの手口は千差万別で、単純な武力による攻撃である事もあれば、自らの発する瘴気によって生物を邪悪と化させ生態系を破壊したり、人類になりすまして国家の要人をそそのかして国家規模の紛争の火種を撒いたり、求心力のある者を殺してすり替わり、人心を巧みに操って不和を生み出したり…あるいは人の精神を操って心変わりさせたり。典型的な例はそういったものです。
 なぜ彼らがそのような事をするのかと言えば、明確にはなっていません。一説によれば、神が人々からの祈りを糧として存在を保っているのと同じように、彼らは彼ら自身への恐怖と、世界に満ちる悪徳、不和、混沌を糧として存在しているのではないかと言われています。
 
 下級のヴァイラスは山野の魔物よりいくらか強い程度の力しか持ちませんが、最上級のヴァイラスは神にも等しい力を持ち、その強さは伝説にも謳われています。
 

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