・ラヴィニア王都・

人口 約30,000
統治形式 立憲君主政治による王政(城下町)
立地条件・気候 平地・温暖湿潤気候
主産業 美術品の製造・流通
文化的特色 聖アンドレイア教の大神殿がある

 レジェンディア大陸でも最古の歴史を持つ王国の都であるラヴィニア王都は、平原に伸びる街道に沿って発展してきた街でもあります。
 西から南へと伸びる街道に沿って築かれた街並みは、街道の傍には宿と交易所が軒を連ね、その北に一般市民たちの住む住宅地が形成されています。そのまま北上していくとやがて街並みはさらに清潔で文化の薫り高いものとなっていき、周囲より一回り高い位置には、都を睥睨するかのように、壮麗な王城と、聖アンドレイア教の総本山である大神殿が建っています。
 一方で、高級住宅街から川を挟んだ東側には、職人たちの集う工業地区が広がっています。生活に必要な道具はほぼ全て職人の手作りに頼る文明レベルであるレジェンディア大陸において、高級嗜好品である陶芸品やガラス細工の生産が活発であるこの工業地区は、非常に珍しい存在となっており、ものづくりへの情熱溢れる若者が大陸中から訪ねて来ています。

【ラヴィニア王城】
 白塗りの石造りで固められ、遠目には純白に煌いて見える、大陸一の壮麗さを誇る王城です。
 特に謁見の間は鮮やかなステンドグラスと朱色の絨毯に彩られ、小国の王や周辺貴族からの羨望の的となっています。
 反面、本来王城に求められる要塞としての機能はやや疎かになっており、一般市民にも城を自由に出入りさせている事からもわかるように、不測の事態への備えは充分とは言えないのが現実です。
 陳情という言葉から想像するものよりは、よほど明るく気楽な雰囲気の民が、今日も女王への話を携えて城門をくぐっています。

【聖アンドレイア教の大聖堂】
 大陸中で人間や亜人に信仰されている、かつて魔王神バキアを倒した光明神アンドレイア。それを奉る一神教の総本山に当たる施設です。
 かつてから光明神に祈り、その勇気と愛を教義として掲げ、善行を積み悪をくじく事を美徳としていました。しかし、各地に勇者という存在が生まれ出した昨今においては、勇者は光明神の魂のかけらを受け継いだ者であると謳っており、彼らを魔王と戦えるほどの存在へと導き育てる事を強く推奨するようになりました。
 特にこの大聖堂においては、ラヴィニア王都を拠点に冒険者として活動する勇者のうち、充分な実力と実績を持つ者に『聖堂勇者』の称号を与え、衣食住の保証や、他国への通行証の発行申請代行などの特別待遇を与えています。

【王立美術館】
 多数の美術品が集まり、また生み出されるラヴィニア王都において、高名な芸術家の作品や、国宝級に高価なものを展示しておくために、役100年前に作られた施設です。数度の改修を経て現在に至っています。
 当初の目的は学術としての芸術を啓蒙するために、高尚な作品を見る機会を一般市民にも開こうというものであり、多くの芸術家の創作意欲をかき立てる事に成功しています。その一方で厳重な警備が敷かれているため、期せずして防犯の役目を担ってもおり、現女王ソフィアレーテが即位してからの数年間は盗難未遂すら起こっておりません。それは取りも直さず、ひとつ盗まれれば巨額の損失になるばかりか、王国の威信にも関わる事の裏返しでもあるのですが……

【高級住宅区】
 大陸でも有数の高級住宅街がこのラヴィニア王都には存在し、下手な貴族よりも裕福な生活を送っている商人や、成功した芸術家、引退した職人が住んでいます。
 彼らの生活レベルに見合うだけの高級服屋、高級料理店、劇場なども存在しており、一般人とは別世界のような暮らしを送っています。

【宿場街】
 街道沿いに設けられた宿場街です。街道を通る商人が使う宿や交易所が立ち並び、そこは必然的に商売のみならず情報交換の場所ともなっています。それゆえ、酒場や冒険者ギルドも同様に軒を連ねる事となっています。
 ラヴィニア王都を拠点としている冒険者の多くはここを根城として情報を集め、依頼を請け、履行のために出発するという形を取ります。
 街道を行く乗り合い馬車の駅も点在しており、スピーディな旅立ちには欠かせないものとなっています。



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