・学園都市アカデミウス・

人口 約19,000
統治形式 王から任命された貴族が領主として統治
ただし学園に関する事は学長との合議による
立地条件・気候 平地・温暖湿潤気候
主産業 なし。強いて言えば研究がそれに当たる
文化的特色 大陸で最大の学問所である"学園"が存在する

 100年以上も昔の事。ラヴィニアの南部に位置する平原には、かつて小さな村がありました。そこは住民の多くが麦や芋を育てて暮らす、どこにでもあるような田舎の村でしたが、医者を名乗る一人の聡明な男が一人、その村に在住していたのです。彼は、日々育つ麦と決して育たない石、怪我をしても治る人と壊れれば自分からは直らない物体、その違いは何なのかを疑問に思い、魔術を使った医療の傍らで、密かにその研究を続け、十数年後、その研究は実を結ぶ事となったのです。
 これが、今ではレジェンディアの定説となっている生命のエネルギー"アウラ"の発見でした。
 この研究を極めれば、従来使われてきた魔術よりももっと簡単に、高度で複雑な魔法や、それに準じた力が使えるようになる。いや、人工的に生命を作り出す事もできるかもしれない――その研究内容に当時のラヴィニア王は深く関心を示し、男の住んでいるその村に研究の基盤となる資金や施設、人材を惜しみなく与えました。研究を聞きつけた各地の学者たちも集い、そこに商機ありと見た商人たちも集まり、村はたちまちのうちに街となりました。男の研究施設にもさまざまな学問が持ち寄られ、またその知識を得ようとする学徒たちも自然と集まり、いつしかそこはありとあらゆる学問を学徒に授ける"学園"としての様相を呈して行ったのです。
 今では学祖として崇められているその男の亡き後も、アウラの研究を基盤としてさまざまな学問の研究がなされています。一方で学者の道を志す若者が集い、また嫡子への高等教育を望む貴族や名士の子供たちも、教養を深めるために学園の門を叩く事が慣例となっています。

【学園】
 アカデミウスの中枢であり本体とも言うべき学園です。
 設立の敬意は前述の通りですが、現在では国内のあらゆる学問と研究が持ち寄られ、学者たちが日々研究を行い、学徒たちに教えを垂れるための場所となっており、レジェンディアの学問の最高峰となっています。
 一方で学徒たちは、自発的に学問の道を志した前途有望な若者たちと、高等教育のために親によって送り込まれた貴族や名士の子供たちとで二極化している傾向にあり、後者に落伍者が目立つのが昨今の問題となっています。なまじ学園で学んだ知識やアウラの扱い方などが、冒険者としての技術としても役立てる事ができるだけに、なおさらに……なのかもしれません。
 学者も学徒も、学園内にある居住区画で生活するのが慣習となっています。

【中央通り】
 街の入り口となっている北門から、町の中央にある学園までを一直線に結ぶ通りです。
 研究に没頭する学者たちの利便を考えてか、この通りに面した商店で、生活に必要なものは一通り揃うようになっています。それは研究などの都合で特別必要になったものに関しても同様で、通り沿いにある冒険者ギルドへの依頼は決して少なくありません。学問に明るくない者が見れば、何に使うのかわからない奇妙なものの採取の依頼なども少なくないのが、この街での依頼の特徴と言えるでしょう。



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