DayByDayのセッションがどのように進行するのかを、以下に記します。


シナリオの概要

 前述したように、DayByDayは、平和なファンタジー世界における街が舞台となっています。PCたちはその街に住む一般人です。
 ゆえに、従来のファンタジーTRPGにおいてシナリオとして扱われるような題材よりも、遥かに小規模な――しかしそれゆえに、優しくほのぼのとした世界を味わう事ができるのです。

 具体的には、PCたち一般人でも充分に解決可能な、しかし看過できないようなトラブルが起こる事からシナリオは始まります。
 PCたちは、いわゆる一般的なTRPGで言う所の『冒険者』のように、事件の解決を依頼される立場ではありません。そのためシナリオの開始はホットスタート的になります。この際、ロール&プールにある特徴を活かして、うまくPCを事件に絡ませていってください。

 そうしてPCたちが一肌脱ぐ事になるような事件は、例えば迷子の捜索であるとか、落とし物の出所探しであるとかの小さなトラブルでしょう。場合によってはトラブルですらなく、街の人気者の誕生日を祝うための準備だったりといった、ポジティブなものであるかもしれません。
 しかし、それが滞りなく済んでしまうようでは面白みもありませんし、シナリオとして成立するかも怪しいものです。
 GMは事態を二転三転させ、PCたちはその難関をうまく切り抜けていってください。

 かくして事件が無事円満に解決すれば、セッションは成功となります。
 そこに、笑顔があったのか――? これを、円満な解決であったかどうかの基準として、参加者は内容を振り返ってみてください。


一般行為判定

 さて、PCたちの行動は100%の可否だけで決まるものとは限りません。
 普通に歩くだけならまず失敗しませんし(ドジである事を特徴としたキャラクターが任意で転んだりするのはかまいませんが)、逆に魔法も使わずに数十メートルもの高さから飛び降り、無傷で着地する事は不可能でしょう。
 しかし、数メートル先の的に石を投げ当てる……などの行動ではどうでしょう? 個人個人で得意不得意の差はあるでしょうが、やってみなくては結果がわかりません。
 これを解決するのが、行為判定です。

 一般行為判定は、大きく分けて能力値判定スキル判定があります。
 能力値判定は、2D6+(該当能力値)で行います。
 スキル判定は、スキルがあれば2D6+(該当スキルのレベル)+(該当スキルのベース能力値)で、スキルがなければ1D6+(該当能力値)で行ないます。判定に使用するスキルは、そのつどGMが指定します。
 この結果の数値を達成値と呼び、GMが定めた目標値に達していれば行為は成功した事になります。

 複数の者で競い合うような判定においては、互いの達成値を比べ、最も高かった者の勝利となります。これを対抗判定と呼びます。
 また、能動/受動の別がはっきりしているようは場合の対抗判定においては、達成値が同じだった場合、より受動的である側を優位とします。

 また判定には、特技を使用することが出来ます。状況的に不自然でない特技で、その特技の使用タイミングに沿っている必要があります。


自動成功と自動失敗

 判定の際において、"6"の出目が複数出た場合、その行動は達成値に関係なく自動的に成功します。
 逆に全ての出目が"1"だった場合、その行動は達成値に関係なく自動的に失敗となります。
 スキル判定において、スキルを持っていない者は自動成功せず、また明らかに自動失敗しやすくなっていますので、注意してください。


ロール&プール

 さて、シナリオ上で事件に絡んでいく上で有用なのはロール&プールであると前述しました。
 ロール&プールは、キャラクターの性格的な特徴を簡単に表しており、これに準じて事件に積極的に関与していくきっかけにもなるわけですが……ロール&プールは、『ダイスプールを得る』と一覧にも解説されています。
 これがどういう事かというと、シナリオ目的達成に対するPCのモチベーションが高まっている事を表すのです。
 同じ人でも、やる気のある・なしによって、発揮できる力は大きく違ってくるものです。DayByDayでは、これをダイスプールによる、ここ一番の底力として表現します。

 ロール&プールは、1シーンにつきひとつだけ使用を宣言する事ができます。
 (ロール&プールの宣言によってダイスプールを得る事ができるのは1シーンに1回だけ、という意味であって、ロール&プールに記載されているような行動を1シーンに1回しか取れないわけではありません)
 使用を宣言し、その宣言がGMに却下されなければ、PCはダイスプールを1得ることが出来ます。

 ダイスプールは任意の行為判定に用いる事ができ、1消費するごとに判定に+1D6の修正を得ます。
 一度の判定に投入できるダイスプールの量に限界はありません。


魔法の使用

 魔法の使用に関しても説明しておきましょう。
 この世界の魔法は非常に高度に体系化された技術に基づいたものですが、それゆえに基礎的な施術の方法さえ知っていれば誰でも扱う事ができます(もちろん人により得手不得手はありますが)。
 PCであるキャラクターたちも例外ではなく、みな簡単な魔法ぐらいは使用する事ができる才能の持ち主です。

 では実際に魔法を使う段にどうすれば良いかというと、まず使用する魔法とその対象を宣言し、MPを消費してください。
 そして、2D6+【知力】+《魔術》による、魔法の使用の判定を行ないます。この判定において、1ゾロが出なければ、魔法は発動し、正常に効果を現します。

 さて、発動した魔法ですが、これが対人で使用されたものであったり、あるいは特殊な結界などの影響を受けてしまって妨害される事もありえるでしょう。
 そういった場合、対象となった者は2D6+【精神】+《心力》による抵抗判定を行なう事になります。
 抵抗側の達成値が発動側の達成値を上回った場合、魔法の効果は打ち消され(あるいは回避され)、抵抗に成功した者には一切効果をもたらす事ができなくなります。


戻る